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窃盗の初犯は不起訴になる? 逮捕の可能性や示談の効果について

2022年05月30日
  • 財産事件
  • 窃盗
  • 初犯
  • 不起訴
窃盗の初犯は不起訴になる? 逮捕の可能性や示談の効果について

警視庁が公開している統計によると、令和3年中に都内で認知された全刑法犯の認知件数7万5288件のうち「窃盗犯」は4万8220件で、64%が窃盗犯を占めていました。錦糸町駅のある墨田区でも、同年中に侵入窃盗が23件、車上ねらいが65件、自転車盗が522件、万引きが252件など、多数の窃盗事件が認知されています。

窃盗罪は、市民生活にとって最も身近な犯罪ですが、発覚すればどうなってしまうのかを正確に知っている方は多くないでしょう。もし窃盗を犯してしまったとしても、過去に罪を犯したことのない初犯なら許してもらえるのでしょうか。また、逮捕される危険はどれくらいあるのでしょうか。

本コラムでは、窃盗罪とはどのような犯罪なのか、初犯だと不起訴となる可能性はあるのかといった点に注目しながら、事件を穏便に解決する方法を解説していきます。

1、窃盗罪とは

他人の持ち物やお店の陳列物などを盗むと、窃盗罪による処罰の対象になります。ただし、一般的に「盗み」「泥棒」と呼ばれる行為でも、別の犯罪が適用されることもあるので注意が必要です。

まずは、窃盗罪がどのような犯罪なのかを確認したうえで、似ているほかの犯罪との違いを整理していきましょう。

  1. (1)窃盗罪の根拠と刑罰

    窃盗罪は、刑法第235条に定められている犯罪です。
    条文には「他人の財物を窃取(せっしゅ)した者」を窃盗罪とし、10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処すると定められています。

  2. (2)窃盗にあたる行為の種類

    窃盗罪にあたる行為は「窃取」です。本来は「ひそかに盗み取る」という意味ですが、広く「盗む」という行為が窃取にあたると解釈されています。

    窃盗罪の特徴的なところは、目的や窃取の対象物などによって「手口」が細かく分類されており、手口名が広く知られているという点です。

    次に挙げる行為は、すべて窃盗罪によって処罰される対象となります。

    【窃盗罪の対象となる行為】
    ● 万引き
    スーパー・コンビニ・書店など、店舗に陳列されている商品を盗む行為です。

    ● 置き引き
    他人が置き去りにした金品などを盗む行為です。

    ● 車上ねらい
    他人の車に置いていた金品などを盗む行為です。車そのものを盗めば「自動車盗」といい、車のパーツ類などを盗むと「部品盗」になります。

    ● 自転車盗
    他人がとめていた自転車を盗む行為です。原付きやバイクなどを盗むと「オートバイ盗」となります。

    ● 色情盗
    いわゆる「下着泥棒」です。色情目的に物干しにかかっていた下着類などを盗む行為を指します。

    ● 侵入盗
    不法な侵入を伴う窃盗です。立ち入った場所や状況によってさらに「空き巣」「居空き」「事務所ねらい」「学校ねらい」「工事場ねらい」などに分類されます。
  3. (3)似ている犯罪との違い

    自分では「盗んだ」という意識でも、法律の定めに照らすと別の犯罪が成立することがあります。

    窃盗罪と似ている犯罪をピックアップして、その違いを整理しましょう。

    【窃盗罪と類似した犯罪】
    ● 強盗罪(刑法第236条)
    暴行や脅迫を用いて他人の財物を強取する犯罪です。ひそかに盗み取るのではなく、暴力や脅しによって強引に奪うという点が窃盗罪と異なります。5年以上の有期懲役という非常に重たい刑罰が科せられるという点も大きな違いです。

    ● 占有離脱物横領罪│遺失物等横領罪(刑法第254条)
    占有を離れた他人の財物を自分のものにする犯罪です。落とし物や置き忘れ物などをネコババする行為だと考えるとわかりやすいでしょう。置き引きや自転車盗も、本来の所有者の占有から大きく離れていれば本罪が適用されます。刑罰は窃盗罪よりも軽く、1年以下の懲役または10万円以下の罰金です。

    ● 恐喝罪(刑法第249条)
    人を恐喝して財物を交付させる犯罪です。恐喝とは「脅し取る」という行為で、金品などを所有者本人に自ら差し出させるという点が窃盗罪と大きく異なります。刑罰は10年以下の懲役で、窃盗罪のように罰金の規定はありません。

2、初犯でも起訴される? 不起訴の可能性について

過去に罪を犯して刑罰を受けた経歴がないことを、初犯といいます。一般的に、初犯であれば「大目にみてもらえるかもしれない」と期待するものですが、果たして本当に初犯であれば優遇されるのでしょうか。

法務省が公開している「検察統計調査」によると、令和2年中に窃盗罪で起訴された人の数は3万1229人でした。

この人数を初犯の人と前科がある人で分けると、次のようになります。

【窃盗罪で起訴された人の初犯者・前科者の内訳】
● 初犯者……1万5062人(48%)
● 前科者……1万6161人(51%)
※不詳6人


このように並べてみると、初犯でも前科があっても起訴された割合はほとんど同じです。そのため、初犯であるのか、前科をもっているのかは特に問題にならないように感じられるでしょう。

しかし、検察官が起訴を見送って、不起訴処分のひとつである「起訴猶予」とした人数は3万286人でしたが、ここでは初犯・前科ありで大きな違いが生じています。

【窃盗罪で起訴猶予処分になった人の初犯者・前科者の内訳】
● 初犯者……2万1220人(70%)
● 前科者……9052人(29%)
※不詳14人


このデータをみると、やはり初犯であれば不起訴処分となる可能性は高いようです。
ただし、実際に起訴された人のデータとも併せてみれば、単に「初犯だから」という理由だけで不起訴になると考えるべきではありません。

厳しい刑罰を避けるためには「不起訴処分を目指した対策」が必須だといえます。

3、再犯は罪が重たくなる

初犯であれば寛大な処分が期待できるなら、過去に罪を犯した経歴がある「再犯」は厳しく処罰されるのでしょうか。

  1. (1)再犯の意味

    再犯という用語は「再び罪を犯した=過去に犯罪の経歴がある」と解釈されて広く使用されていますが、法的な意味での再犯は意味が異なります。

    刑法第56条によると、懲役を受けてその執行が終わった日、または執行免除を得た日から5年以内にさらに罪を犯した者を有期懲役に処するときが再犯です。

    つまり、刑務所での服役を終えて5年が経過したあとの犯罪や、執行猶予の期間が終了して5年が過ぎたあとの犯罪は、刑法上の再犯にはあたりません。

    また、以前の刑罰が罰金だった、警察限りで厳重注意を受けて済まされた、検察官が不起訴処分としたといったケースでは、5年以内に罪を犯しても再犯としての扱いは受けません。

    なお、最初の罪を「初犯」、二度目を「再犯」と呼びますが、三犯以上の場合は「累犯」といいます。

  2. (2)再犯者に対する刑の加重

    刑法第57条には、再犯者についてさらに厳しく罰する、再犯加重が定められています。
    再犯の場合の刑罰は「懲役の長期の2倍以下」です。

    窃盗罪で再犯加重を受けると、懲役の上限が2倍になりますが、罰金は加重されません。
    つまり、窃盗の再犯における法定刑は「20年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。

    法律で定める懲役の上限が上乗せされるため、刑事裁判で言い渡される量刑も重い方向へと傾くことになるでしょう

  3. (3)常習者はさらに厳しく処罰される

    窃盗罪にあたる行為を繰り返すと、常習累犯窃盗としてさらに厳しい処罰を受けるおそれがあります。

    常習累犯窃盗とは「盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律(通称:盗犯防止法)」において定められている規定です。

    10年以内に窃盗罪またはその未遂で、6か月以上の懲役で刑務所に服役した経歴が3回以上ある場合は、3年以上の有期懲役に処されます。有期懲役の上限は20年なので、最低でも3年、最長では20年にわたって刑務所に収監されてしまう重罪です。

4、有利な処分を目指すなら弁護士のサポートが大切

窃盗罪にあたる行為には、身体への危害をおよぼすおそれのある侵入盗や重大犯罪へとつながりやすい自動車盗のほかにも、万引きや自転車盗といった日常生活と密接に関係している比較的に軽微なものまで、さまざま態様があります。

しかし、重大・軽微にかかわらず、適用されるのは同じ窃盗罪であり、法律の定めに従って厳しく処罰される危険は否定できません。

窃盗の容疑をかけられてしまい、不起訴処分や執行猶予・罰金といった有利な処分を望むなら、弁護士に相談してサポートを求めましょう。

  1. (1)被害者との示談交渉を一任できる

    窃盗事件では、必ず被害者が存在しています。被害者との間で交渉のテーブルを設けて、真摯(しんし)に謝罪し、弁済を尽くして被害届や刑事告訴を取り下げてもらえれば、捜査や刑事手続きが終了する可能性が高まります

    事件が起きて時間がたっていない間なら、警察への発覚を防ぎ、事件化そのものを回避できるでしょう。警察の捜査が始まっていても、警察が逮捕に踏み切る危険度は大幅に抑えられます。

    ただし、犯罪被害者の多くは、加害者に対して強い怒りや嫌悪の感情を抱いているものなので、示談交渉は容易ではありません。被害者の警戒心を解きながら円滑な示談成立を目指すなら、弁護士に一任したほうが安全です。

  2. (2)再犯防止に向けた取り組みをアピールできる

    窃盗事件では、検察官が起訴・不起訴を判断する場面や、裁判官が量刑を判断する際に「再犯のおそれ」が重視されます。

    再び罪を犯すおそれが極めて高い犯罪なので、再犯をしないことを誓約し、具体的な方策を示さなければなりません。

    窃盗犯として捜査や審理の対象となっている状況なら、誰もが「もう二度と窃盗は犯しません」と述べるものですが、もちろん、簡単には信じてもらえないでしょう。検察官や裁判官の理解を得るには、再犯防止に向けた取り組みを具体的に示す必要があります。

    たとえば、万引きの再犯防止では、ひとりで買い物に行くことを避けて必ず家族が同伴する、窃盗癖とも呼ばれる「クレプトマニア」の治療に向けて専門医のカウンセリングを受けるといった対策が考えられるでしょう。

    どのような取り組みや対策が有効なのかを個人で判断するのは困難なので、窃盗事件の解決実績を豊富にもつ弁護士のアドバイスは必須です

5、まとめ

窃盗罪の容疑をかけられたとき、初犯であれば検察官が起訴を見送り、不起訴処分となる可能性が高まるのは事実です。

ただし、初犯であれば必ず不起訴になるわけではありません。被害の重大さや犯行の悪質性、再犯のおそれなどが総合的に評価されるほか、被害者に謝罪と賠償を尽くして示談が成立しているのかどうかも考慮されます。

窃盗事件を穏便なかたちで解決するためには、被害者との示談交渉が欠かせません逮捕や厳しい刑罰を避けたいと望むなら、窃盗事件の解決実績を豊富にもつベリーベスト法律事務所 錦糸町オフィスへご相談ください

弁護士・スタッフが一丸となって、事件解決を全力でサポートします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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