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固定残業代40時間分は問題ない? 違法性や残業代の考え方を解説

2022年06月30日
  • 残業代請求
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固定残業代40時間分は問題ない? 違法性や残業代の考え方を解説

東京都労働相談情報センターでは、労働問題全般についての相談を受け付けており、賃金不払いに関する相談が毎年上位を占めています。賃金不払いに関しては、相談のうち33.4%が時間外労働に関するものであり、いわゆる残業代不払いで悩みを抱えている労働者の方が多いことがわかります。

残業代不払いの中でも「固定残業代」が問題となる場合、どこまでが固定でどこからが追加で請求できるのか、労働者が範囲を把握できていないケースも珍しくありません。たとえば「固定残業代40時間」などと記載されている場合には、40時間分の残業代が支払われていることになります。

40時間というと相当多く感じるかもしれませんが、このような支払い方法には問題ないのでしょうか。また、40時間を超えて働いた場合には残業代は支払われるのでしょうか。今回は、固定残業代に関する法的問題について解説します。

1、固定残業代40時間分は問題ない?

固定残業代とはどのような制度なのでしょうか。以下では、固定残業代の概要と40時間分の固定残業代を設定することの可否について説明します。

  1. (1)固定残業代とは

    固定残業代とは、毎月支払われる固定給の中に、固定残業手当などとして一定時間分の残業代があらかじめ含まれているものをいいます。

    たとえば、「固定残業代8万円(40時間分)」という場合には、40時間残業をしたことを前提として、毎月8万円が支払われることになります。

    固定残業代を採用することによって、会社としては毎月の給与計算を簡略化することができるというメリットがありますが、労働者としても残業時間が40時間に達していなかったとしても40時間分の残業代が支払われるため、1時間あたりの賃金が高くなるというメリットがあります。

  2. (2)固定残業代を40時間分に設定することも可能

    固定残業代が40時間分というと、毎月40時間も残業をする可能性があることから、長時間の残業として違法ではないかと思う方もいるでしょう。

    しかし、労働基準法では、36協定を締結していれば問題はありません。36協定とは、労働基準法第36条に基づく労使協定(労働者と企業間の取り決め)で、月45時間、年360時間という残業時間の上限規制の範囲内であれば適法に労働者に残業を命じることができるとされています。

    そのため、36協定が締結されている会社であれば、月の固定残業代を40時間分に設定すること自体は特に問題はありません。

2、40時間を超えた場合の残業代の考え方

実際の残業が固定残業代として予定している40時間を超えた場合には、残業代はどのようになるのでしょうか。

  1. (1)固定残業代を超える部分は別途請求可能

    固定残業代は、一定時間分の残業代を実際の残業時間にかかわらず支給するものです。しかし、いくら残業をしても固定残業代以上の残業代をもらうことができないと誤解している方も多くいます。

    固定残業代として予定している残業時間を超える場合には、超えた部分については、固定残業代とは別途残業代を支払わなければなりません。

    したがって、実際の残業時間が固定残業代の残業時間を超えているにもかかわらず、その分の残業代が支払われていないという場合には、会社に対して未払いの残業代を請求することが可能です

  2. (2)固定残業代を超えた部分の計算方法

    残業代は、「1時間あたりの賃金×残業時間×割増率」によって計算します。

    そのため、固定残業代を超えた部分の残業代を計算するためには、まずは1時間あたりの賃金の計算をする必要があります。

    1時間あたりの賃金は、以下の計算式によって計算します。

    1時間あたりの賃金=月給÷1年間における1か月平均所定労働時間


    1か月平均所定労働時間は、以下の式で算出します。

    1か月平均所定労働時間=(365日-1年の休日合計日数)×1日の所定労働時間÷12か月


    具体的には、

    • 1か月の月給が20万円
    • 1か月平均所定労働時間160時間
    • 固定残業代40時間分の労働者がある月に50時間の時間外労働を行った

    場合には、以下のような計算になります。

    (20万円÷160時間)×(50時間-40時間)×1.25=1万5625円


    この場合には、40時間分の固定残業代に加えて、別途残業代として1万5625円を支払わなければなりません。

3、確認しておきたい! 固定残業は正しく運用されている?

固定残業代を採用している場合であっても、固定残業代の運用の仕方によっては、違法になることがあります。以下では、固定残業代制度が違法になる可能性があるケースについて説明します。

  1. (1)固定残業代と基本給が区別されていない

    固定残業代制度を採用している場合であっても、固定残業代として予定されている残業時間を超えた場合には、別途残業代を支払う必要があります。

    そのためには、超過分の残業代を計算する必要がありますが、基本給のうちどの部分が固定残業代なのかが明確に区別できなければ、正確に残業代の計算をすることはできません。

    そのため、雇用契約で「基本給20万円(固定残業代40時間分を含む)」などとなっている場合には、固定残業代としては違法となる可能性があります。

  2. (2)固定残業時間を超過しても別途賃金が支払われない

    固定残業代制度を採用している会社では、固定残業代の他に残業代を支払わないという取り扱いをしていることがあります。

    しかし、固定残業代として予定されている残業時間を超えた場合には、別途残業代を支払わなければなりません。

    そのため、超過分について別途残業代が支払われていないという場合には、固定残業代自体が違法と評価され、固定残業代として予定されている残業時間も含めて別途残業代を請求することができる可能性があります。

  3. (3)就業規則や雇用契約書に固定残業に関する規定がない

    労働基準法では、使用者は、労働契約の締結にあたり労働者に対して、賃金、労働時間、その他の労働条件を明示しなければならないとされています(労働基準法15条)。

    固定残業代制度についても労働条件に関する内容に含まれますので、固定残業代制度を採用する場合には、就業規則や雇用契約書などでそのことを明記する必要があります。

    その際には、固定残業代として支払いの対象になる賃金の範囲(時間外労働、深夜労働、休日労働)についても明記する必要があります。

4、残業代に関するトラブルの対処法

残業代に関するトラブルが発生した場合には、以下のように対処する必要があります。

  1. (1)残業に関する証拠の収集

    会社に対して未払いの残業代を請求するためには、労働者の側で残業したことおよび残業時間を証拠によって証明していく必要があります

    タイムカードによって労働時間が適切に管理されている場合であれば、タイムカードを入手することによって残業代請求の証拠とすることができます。

    しかし、サービス残業や残業が常態化している職場では、タイムカードは定時で処理して、その後事実上残業をしているというケースが多いです。このような場合には、タイムカードだけでは、残業を立証することができません。

    たとえば、以下のような証拠が残業の立証に必要になります。

    • 業務日報
    • パソコンのログイン・ログアウト記録
    • パソコンのメールの送信記録
    • 入退室記録
    • 交通系ICカードの記録、帰宅時のタクシーの領収書
    • 日記、メモ
  2. (2)未払いの残業代を計算

    残業に関する証拠を入手することができたら、次はその証拠をもとにして未払いの残業代を計算していきます。

    残業代を計算する際には、残業の種類(時間外労働、深夜労働、休日労働)によって、残業代の割増率が異なってきますので、各労働日ごとに正確に労働時間を計算して、適切な割増率を選択する必要があります。残業代請求のためには正確な算出が必要です。不安な場合は、労働問題の実績がある弁護士に相談することをおすすめします。

  3. (3)会社に対して未払いの残業代を請求

    未払いの残業代の金額が明らかになったら、会社に対して、未払いの残業代を請求していきます。請求の方法としては、口頭での話し合いによる方法もありますが、残業代を請求したということを証拠によって明らかにしておくためにも、配達証明付きの内容証明郵便を利用して行うとよいでしょう。

    残業代請求には時効(2020年4月1日以降に発生したものは3年、以前に発生したものは2年)がありますので、このような証拠を残しておくことによって後日役に立つことがあります。

  4. (4)弁護士に相談

    未払い残業代の証拠を収集し、正確に残業代を算出し、会社と交渉する一連の対応を労働者個人で行うのは非常に大きな負担となります。

    そもそも、労働問題に関する法的知識がなければどのような証拠を収集すればよいのか、どのように残業代を計算すればよいのか途方に暮れる方も多いでしょう。また、労働者個人で会社に未払いの残業代を請求したとしても、まともに取り合ってくれない企業も珍しくありません。

    そのため、未払いの残業代を請求する場合には、弁護士に相談をすることをおすすめします。弁護士であれば、労働者に代わって会社と交渉をすることができますので、労働者が個人で対応するよりも会社が未払いの残業代の支払いに応じてくれる可能性が高くなります。

    会社との話し合いで解決することができない場合であっても、労働審判や裁判といった法的手続きによって解決を図ることもできます。これらの手続きについても弁護士がすべてサポートしますので、安心してお任せください。

5、まとめ

固定残業制度は、会社だけでなく労働者にもメリットのある制度ですので、多くの会社において導入されています。しかし、固定残業代制度に関する理解が不十分な会社では、「固定残業代以外に残業代を支払わなくてもよい」などの誤った認識を持っているところもあります。

疑問に感じたら、まずは、ご自身の残業代がきちんと支払われているかどうかについて確認することをおすすめします。未払いの残業代でお困りの場合には、お早めにベリーベスト法律事務所 錦糸町オフィスまでご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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