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過失割合とは│割合の決め方・示談交渉の方法

2022年08月30日
  • その他
  • 過失割合とは
過失割合とは│割合の決め方・示談交渉の方法

警視庁が公表している都内の交通人身事故発生状況の資料によると、令和3年に東京都内で発生した交通人身事故の件数は、2万7598件でした。平成24年以降は徐々に減少傾向にありますが、それでも多くの交通事故が発生していることがわかります。

交差点での出合い頭で事故が発生したような場合には、どちらにも事故の発生について責任が生じます。その場合には、どちらがどのような割合で責任を有するかという「過失割合」でトラブルが生じることがあります。過失割合は、交通事故の賠償額にも影響する問題ですので、適切な割合で決めることが重要となります。

今回は、交通事故の過失割合の概要と過失割合でもめた場合の対処法などについて、ベリーベスト法律事務所 錦糸町オフィスの弁護士が解説します。

1、交通事故の「過失割合」とは

交通事故の過失割合とは、発生した交通事故についてどちらがどの程度の責任を有するのかを割合によって示したものになります。

追突事故のような場合には、加害者側に前方不注視などの一方的な過失がありますので、過失割合としては、加害者:被害者=100:0となります。

しかし、追突事故以外の事故類型では、交通事故の被害者であったとしても、過失割合が生じることがあります。また、追突事故であっても被害者側に急ブレーキなどがあった場合には、追突された被害者にも過失割合が生じることもあります。

このように、どのような事故であっても過失割合が生じる可能性がありますので、適切な過失割合を定めるためには、事故態様や特殊性などを考慮して検討していくことが必要になります。

2、過失割合でもめる3つの理由

加害者、被害者の両方に過失のある交通事故の場合には、過失割合をめぐって争いになることがあります。それには、以下のような理由があります。

  1. (1)賠償額に影響するため

    交通事故の過失割合は、最終的な賠償金を定める際の過失相殺で利用されることになります。被害者側にも一定の落ち度がある場合には、加害者側から支払われる賠償額から被害者の過失割合に相当する部分が控除されてしまいます。

    そのため、被害者としては、少しでも多くの賠償金をもらいたいと考える場合には、過失割合を少なくする必要がありますし、反対に加害者(保険会社)側としては、支払う賠償金を少なくしたいと考える場合には、被害者の過失を多く主張していきます。

  2. (2)客観的証拠が少ないため

    過失割合でもめる理由としては、交通事故の発生状況のわかる客観的証拠が少ないということも挙げられます。

    交通事故の過失割合は、事故状況に応じて類型化された過失割合を基本として、個別具体的な状況に応じて修正していくという方法がとられるのが一般的です。しかし、事故状況について、加害者と被害者の言い分が食い違っている場合には、事故状況を明らかにする客観的証拠がなければどちらの言い分が正しいかを判断することができません。

    お互いに自分の主張を譲らない場合には、議論が平行線となり解決まで長期間をかかることも珍しくありません。

  3. (3)感情的な対立があるため

    交通事故の被害者は、事故に巻き込まれたという認識であるにもかかわらず、過失割合が生じることに対して強く反発する方もいます。また、双方に責任があるにもかかわらず、一方的に責任を押し付けられることに納得がいかないと考える方もいます。

    このように当事者双方の感情的な対立が生じてしまうと、過失割合の認定をスムーズに進めることは困難です。

3、過失割合はどうやって決めるのか?

では、交通事故が発生した場合の過失割合は、誰がどのように決めることになるのでしょうか。

  1. (1)誰が過失割合を決めるのか

    過失割合は、基本的には当事者同士の話し合いによって決定します。

    交通事故の当事者とは、被害者と加害者ですが、当事者が自動車保険に加入している場合には、被害者側と加害者側の保険会社の担当者同士の話し合いで決められます。また、交通事故の交渉を弁護士に依頼している場合には、当事者に代わって弁護士が代理人として交渉を行い、過失割合を決めていきます。

    他方、過失割合に争いがあるケースについては、当事者同士の話し合いでは過失割合を決めることができない場合もあります。そのような場合には、裁判所に民事訴訟を提起して、公平な第三者である裁判官に過失割合を判断してもらうことになります。

  2. (2)どうやって過失割合を決めるのか

    過失割合は、どちらが悪いかということを感覚的に決めるものではありません。このような決め方をしてしまうと、同様の事故であっても過失割合が大きく変わってきてしまいますので不公平な結果となってしまうからです。

    そこで、交通事故の実務においては、過去の交通事故事案に関する裁判例に基づいて客観的に過失割合を定めるという方法が採用されています。事故類型に応じた過失割合は、「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準(別冊判例タイムズNo.38)」という本にまとめられており、保険会社だけでなく弁護士や裁判所もこれに基づいて過失割合を判断しています。

    一般の方でも入手することができる本ですので、気になるという方はインターネットや書店などで購入してみるとよいでしょう。

4、過失割合でもめた時の対処方法

過失割合でもめた場合には、以下のような対処法が考えられます。

  1. (1)客観的な証拠を収集する

    過失割合でもめる場面で、よくあるケースが、お互いが主張する事故状況が異なっているという場合です。

    たとえば、信号機のある交差点での事故について被害者と加害者で信号機の色についての言い分が異なっている、信号機のない交差点での一時停止の有無についての言い分が異なっている、などが挙げられます。

    このような場合には、お互いの言い分を言い合っていても解決することはできませんので、事故状況を明らかにすることができる客観的証拠を探すようにしましょう。

    事故状況を明らかにすることができる証拠としては以下のものが挙げられます。

    • ドライブレコーダー
    • 事故現場付近の監視カメラ映像
    • 交通事故の目撃者の証言
    • 事故車両の損傷状況のわかる写真
    • 実況見分調書、供述調書
  2. (2)弁護士に相談をする

    過失割合で争いが生じた場合には、弁護士に相談をするということも有効な手段となります。過失割合は、過去の裁判例に基づいて類型化されたものですので、法律の知識や経験がなければ適切に判断することが難しくなります。

    弁護士に相談をすることによって、事故状況に応じた適切な過失割合を知り、保険会社から提示された過失割合納得がいかない場合には、適切な割合にするよう交渉することが可能です

  3. (3)話し合いで解決できない場合には民事訴訟を提起する

    過失割合に関する争いが生じて、話し合いでは解決することができない状況になった場合には、裁判所に訴訟を提起することが考えられます。

    民事訴訟を提起した場合には、裁判官が当事者の主張や証拠に基づいて、公平中立な立場から適切な過失割合を判断してくれます

    ただし、個人で民事訴訟を提起する場合には、難しい手続きも多いため、自己の言い分を裁判所にしっかりと伝えるためにも、交通事故の解決実績がある弁護士に依頼することをおすすめします。

5、交通事故の交渉を早めに弁護士に相談するメリット

交通事故の交渉を早めに弁護士に相談をすることによって、以下のようなメリットがあります。

  1. (1)面倒な保険会社との交渉を弁護士に任せることができる

    交通事故被害にあった場合には、怪我の治療のための通院だけでなく、交通事故の賠償手続のために保険会社と交渉をしなければなりません。ケガを負った状態での生活だけでも大変な状況で、保険会社との不慣れな交渉も行わなければならないというのは、大きな負担となります。

    交通事故の被害にあった後、早めに弁護士に相談・依頼をすることによって、面倒な保険会社との交渉をすべて任せることで時間の拘束や精神的なストレスが軽減されるでしょう。

  2. (2)保険会社から提示された賠償額・過失割合が適切であるか判断できる

    交通事故の怪我が完治または症状固定になった段階で、保険会社からは、交通事故の賠償額が提示されることになります。

    過失割合が生じる事故については、被害者の過失割合に相当する金額が控除された賠償額が提示されます。

    一度示談に応じてしまうと、後日金額が不適切であると気付いたとしても、示談を撤回してやり直すということはできません。しかし、交通事故についての知識や経験がなければそれが適切な金額であるかを判断することができません。そのため、示談に応じるかどうかは慎重に判断することが重要です。

    保険会社から賠償額や過失割合が提示された場合には、示談に応じる前に弁護士にご相談ください。弁護士であれば、保険会社から提示された賠償額や過失割合が適切なものであるかを判断することができ、不適切な内容であった場合には、代理人として交渉をすることも可能です。

    また、弁護士が介入して交渉する際には、保険会社が用いる基準よりも高い基準である、裁判所基準というもので交渉可能ですので、示談額の増額が見込めます

6、まとめ

過失割合は、交通事故の示談交渉の中でもトラブルになりやすい項目です。損害賠償金が高額になる事案では、過失割合が10%違うだけでも、数百万円単位で金額が変わってくることもありますので、適切な過失割合を定めることが非常に重要となります。

交通事故の被害にあってお悩みの方は、ベリーベスト法律事務所 錦糸町オフィスまでお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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