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退職勧奨に条件はない? 会社が退職勧奨をする理由や違法になるケース

2022年11月09日
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退職勧奨に条件はない? 会社が退職勧奨をする理由や違法になるケース

東京労働局が公表している令和3年度の個別労働紛争の解決制度の施行状況によると、民事上の個別労働紛争の相談件数は、2万9447件でした。そのうち、退職勧奨に関するものが2634件あり、4番目に多い相談内容となっています。

退職勧奨は、あくまでも退職をすすめる行為であり、強制力はありませんので、退職に応じる意思がない場合は拒否することもできます。また、退職勧奨の方法によっては、違法となるケースもありますので、万が一退職に応じてしまった場合でも撤回できる可能性もあります。

今回は、退職勧奨の条件や違法な退職勧奨を受けた場合の対処法などについて、ベリーベスト法律事務所 錦糸町オフィスの弁護士が解説します。

1、退職勧奨を実施するときに法律上の条件はあるのか

会社が退職勧奨をする場合において、法律上満たさなければならない条件はあるのでしょうか。

  1. (1)退職勧奨とは

    退職勧奨とは、面談などで「もっと活躍できる会社があるんじゃないか」「仕事が向いてないのではないか」などと言って、労働者に退職を促す行為のことをいいます。

    退職勧奨は、退職を強制するものはありませんので、実際に退職するかは、労働者が自由に決定することができます。退職する意思がない場合には、退職勧奨をはっきりと拒否することが大切です

    もし退職勧奨に応じた場合、会社からの要請による退職となりますので、退職理由としては、「自己都合退職」ではなく「会社都合退職」として扱われます。

    なお、退職勧奨とよく混同する制度として、「解雇」があります。解雇とは、会社が労働者との労働契約を一方的に終了させることをいいます。会社が労働者を解雇する場合には、労働契約法によって定められている厳格な解雇要件を満たす必要があります。

  2. (2)退職勧奨には法律上の条件は存在しない

    退職勧奨は、あくまでも労働者に対して退職を促すという手段に過ぎませんので、退職勧奨をするにあたってクリアすべき法律上の条件というものは存在しません。

    解雇の場合には、労働契約法上の解雇要件を満たさなければならないという条件がありますが、退職勧奨には、そのような条件がないという点も、解雇との相違点です。

2、会社が退職勧奨をする理由

退職勧奨を会社が選択する理由としては、以下のものが挙げられます。

  1. (1)問題のある労働者を辞めさせたい

    会社による退職勧奨は、問題のある労働者を辞めさせたいという理由で行われることがあります。

    たとえば、

    • 労働者の勤務態度が悪い
    • 求めるノルマを達成できない
    • 頻繁に周囲とトラブルを起こす
    • 体調不良で欠勤が多い


    といったことです。

    このように会社にとってメリットが少ない労働者に対して、退職勧奨を行い、自主的な退職を促していきます。

    また、会社が経営不振に陥った場合には、人件費を削減して経営の立ち直りを目指していくことになりますが、その際に利用されることもあります。

  2. (2)解雇だとハードルが高い

    会社が労働契約を終了させる場合には、解雇という方法をとることもできます。それにもかかわらず、会社が解雇ではなく退職勧奨を選択する理由としては、解雇をする場合のハードルが高いという理由が挙げられます。

    解雇をする場合には、労働契約法上の解雇要件を満たす必要があり、「勤務態度が悪い」、「能力不足」という理由だけでは、解雇要件を満たさない可能性があります。

    解雇要件を満たさないと不当解雇にあたり、労働者から訴えられるリスクがあります。そこで、解雇ではなく、退職勧奨という方法を用いるのです。

3、退職勧奨が違法になるケース

退職勧奨には解雇のような法律上の条件はありませんが、制限なく認められるわけではありません。場合によっては、退職勧奨が違法になることもあります。

  1. (1)違法な退職勧奨とは

    退職勧奨は、労働者に退職を促すという効果しかなく、退職するかどうかが労働者の自由な意思に委ねられています。退職する意思がないという場合には、退職勧奨を拒否すれば、原則として、それ以上退職勧奨を求められることはありません。

    しかし、退職勧奨を拒否したとしても、執拗(しつよう)に退職勧奨を続けたり、望まない配置換えを提案したりしてくることがあります。

    退職勧奨が社会通念上相当と認められる範囲を超えて行われ、労働者の自由が妨げられたと認められる場合は、違法な退職勧奨の可能性があります。

    違法な退職勧奨を受けた場合、退職に応じてしまったとしても、退職の無効を主張することができますまた、退職勧奨が悪質であった場合には、不法行為に基づく損害賠償請求も可能です

  2. (2)退職勧奨が違法になるケース

    退職勧奨が違法な退職強要になるケースとしては、以下ものが挙げられます。

    ① 長時間・長期間に及ぶ退職勧奨
    退職勧奨に応じるかどうかの決定権は労働者にあります。退職勧奨に応じることを明確に拒否しているにもかかわらず、長時間、しつこく退職勧奨された場合、違法となる可能性があります

    ② いじめやいやがらせによる退職勧奨
    退職勧奨を拒否していると会社からいじめや嫌がらせを受けることがあります。たとえば、退職勧奨に応じるまで会社内で無視されたり、仕事を与えてもらえなかったりなどの扱いをされた場合には、社会的相当性を超えた態様であると評価される可能性があります。
    このようないじめやいやがらせを受けた場合には、違法な退職勧奨にあたる可能性があります。

    ③ 不当な理由による人事異動や減給による退職勧奨
    退職勧奨は、労働者に対して退職を促すという効果以上のものはありません。退職勧奨に応じなかったとしても、そのことだけを理由として遠方の支店・営業所への転勤を命じられたり、降格・減給といった処分をしたりすることは認められません。
    このような不利益な扱いがなされた場合には、自由な退職意思の形成を妨げるおそれがありますので、違法な退職勧奨にあたる可能性があります。

    ④ どう喝や脅迫による退職勧奨
    退職勧奨をする際の態様がどう喝や脅迫を伴うものであった場合には、違法な退職勧奨となる可能性があります。たとえば、他の労働者がいる前で怒鳴られたり、大人数で圧迫的な面談が繰り返し行われたりするケースなどがあります。

4、違法な退職勧奨にあった場合の対処法

違法な退職勧奨を受けた場合には、以下の対処法が考えられます。

  1. (1)退職勧奨を拒否する

    退職勧奨に応じるかどうかは、労働者自身で決めることができます。退職勧奨に応じる意思がない場合は、会社に対してその旨を明確に伝えて拒否するようにしましょう。

    拒否する方法に、特に決まりはありませんが、口頭よりもメールなど物的な証拠が残ることを心がけてやりとりしましょう。

    また、会社から求められたとしても退職届を提出してはいけません。退職届を提出してしまうと、退職の合意があったとみなされて、後日退職勧奨の違法性を争うことが難しくなってしまいますので注意しましょう。

  2. (2)証拠を集める

    違法な退職勧奨を受けた場合には、会社に対して損害賠償請求をすることができます。そのためには、違法な退職勧奨を受けたということを立証しなければなりません。

    そこで、違法な退職勧奨を受けた場合には、以下のような証拠を集めるようにしましょう。

    • 会社から渡された書類、メモ
    • 会社とのやり取りのメール
    • 面談の際の録音記録
    • 日記や手帳
    • 就業規則
    • 退職金規程
    • 雇用契約書
  3. (3)弁護士に相談をする

    違法な退職勧奨を受けた場合には、個人では対応が難しい場合もあります。そのような場合には弁護士に相談をするというのも有効な手段となります。

    弁護士に相談することによって、退職勧奨を受けた場合の対処法について、具体的なアドバイスを得ることができます。また、労働者個人での対応が難しい場合には、労働者の代理人となって会社に対して、退職の無効や損害賠償請求をしていくことができます一人での対応に不安を感じる方は、まずは弁護士にご相談ください

5、まとめ

退職勧奨は、労働者に対して退職を促すというものに過ぎませんので、それ自体には法律上の条件などは存在しません。しかし、執拗な退職勧奨により、労働者の意思を妨げるような場合には、違法となる可能性があります。

会社から繰り返し退職勧奨を受けているという場合には、まずは、ベリーベスト法律事務所 錦糸町オフィスまでお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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